単身者用物件とファミリータイプ物件、購入するならどちらを選ぶべきか

不動産投資は入口で決まります。

評価額の高い物件を目一杯融資を引いてスタートすると出口で損失を計上する可能性が高くなります。

利回りが高く物件評価額の高い不動産は当然ですが不動産価値そのものは非常に高く良い買い物ですが、買い方を間違えると後々になって大変な労力を要することになりかねませんので慎重に進めていかないとなりません。

金融機関も融資残高を伸ばしたい時勢では少しでも多くを貸出したいと考えているのでフルローン、ケースによっては諸費用分+αまでの融資金を出す時もあります。

しかし業者が提示している利回りは通常、年間家賃収入÷物件価格ですので誤差が生じてきます。

ここでの微妙な誤差が時が経過すればするほど微妙ではなくなりデッドクロスを迎えることもあります。

収支シュミレーションがあれば確認できますが、なければ自分で作成した方がいいでしょう。

前述した東京エリアのRC造の物件の場合は建物比率が55%~65%なので47年で減価償却費を計上して申告を重ねていった場合、貸出金利が0.65%~1.2%だと元本の減り方は早いカーブを描きますが、経費算入部分が少なく税前利益を大幅に上回り納税を余儀なくされます。

会社としてみた場合、毎年純資産(含み益)が増えますのでBSの健全度は増して金融機関の評価は上がります。

しかし手元にキャッシュが残りませんので、その事業を継続していくには資本金(現金)を増資していかなくてはならなくなります。

現在の金融情勢下では、不動産を買い進めていくには大なり小なり資金が必要なので、手持ち資金がなれれば事業拡大は叶いません。

この事業を単体で見た場合、早かれ遅かれデッドクロスを迎えるので売却するしか手立てはありません。

買い進めるには2期通算でBSが黒字で大きくなっていかなければなりませんが、内部留保していくには節税していかなければなりません。

キャッシュフローが回っていれば赤字でも会社は倒産しませんが、買い進めることができなくなりここで矛盾が生じてきます。

月並みが良い方になりますが、節税してキャッシュフローを貯めながら黒字経営をしていくしかないでしょう。

物件を安く買うことと融資の建て付けをワンセットにして購入する習慣を身に着けておきましょう。

さて、単身用とファミリー用とどちらを選ぶべきかの話ですが、概ね単身者用は平均3.5年・ファミリー用で7年周期で賃借人が入れ替わる傾向にあります。

エリアによって違いますし、駅近・バス便によっても違いますが、東京都心部では単身用・地方都市ではファミリー用が何かと融通が利いたりします。

単身者用でもアイデア次第では効率の良い経営も可能になってきますので一概には言えませんし、またパートナーシップを組む管理会社との連携も肝になってきたりもします。

どちらのタイプを選んだとしても中長期的視野でみれば経営に必要な総コストはさほど変わりはありません。

不動産投資をスタートする年齢・収入・家族構成等の生活コストが掛かるタイミングと重ならないように一考してから始めれば、労働収入を含めたトータルでのキャッシュフローは回りやすくなります。

どちらを選ぶかは自分が置かれている状況を鑑みたうえで判断していけば、出口戦略で悩むこともなくなるでしょう。

部屋は狭ければ狭いほど営業効率(坪単価)は上がりますが、必ずしも需要があるとは限りません。

逆に部屋が広ければ広いほど営業効率は下がりはしますが、「大は小を兼ねる」になるのが不動産の妙味だったりします。

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