レオパレス施工不良問題

レオパレス21のアパートで建築基準法違反の疑いがあることが分かりました。

同社は1980年代にアパート「レオパレス」の販売を開始しましたが、今回対象となった物件は業容を拡大した1996~2009年に建てられたアパートに集中しているようです。

防火性や遮音性を高める「界壁」と呼ばれる部材が本来は天井裏に設置されていなければならないのですが、未設置だったり設置範囲が不十分だったとのことです。

※写真(界壁未設置のレオパレス物件の屋根裏)

同社は25都府県の206棟で、界壁を設置していないなどの施工不良が見つかったと発表しました。

今後は同社が施行した全3万7853棟を調査して、2019年10月までに補修工事を完了するとしています。

全国のレオパレス物件の所有者らでつくる「LPオーナー会」は、今月中に被害者の会を設立して相談を受け付けると記者会見で明らかにしました。

レオパレス21は1973年、ミヤマの社名で設立されました。

当初は不動産仲介業を主としていましたが、1985年にレオパレス21のアパートを本格的に販売を始めました。

90年代前半にはアパートを建築した後にオーナーから借り上げて転貸するサブリースと呼ばれるシステムを採用しました。

事業は急拡大して、2000年3月期に2061億円だった売上高は2009年3月期には7332億円に達しています。

2008年のリーマンショック後は業績が悪化し、収益構造を変革しています。

収益の柱でした地主からアパート建設を請け負う建築請負を抑制し、賃貸事業にシフトしたことで2018年3月期の売上高に占める賃貸事業の割合は8割強となりました。

2017年にはサブリース契約をめぐり100人規模の集団訴訟、同年8月には修繕費をめぐって提訴されるなど、オーナーとのトラブルが表面化。

最近ではIT(情報技術)の導入で効率化を進めてきた同社ですが、急成長時代のツケが回ってきているようです。

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