空飛ぶタクシー
2018.08.02
現在、米国の空を飛び交う飛行機は1日4万3000便。
常時5000機の飛行機が飛んでいます。
これだけでも非常に多く感じますが、ウーバーテクノロジー(米国)はその10倍を超える便数を、一つの都市上空で実現しようとしています。
先日、ロサンゼルスで開催された都市内航空輸送サービスに関する開発者会議「エレベートサミット」で、そんな途方もない「空飛ぶタクシー」構想が飛び出しました。
「空飛ぶタクシー」を実現するには、空飛ぶ車が必要です。
空飛ぶ車の正式名称は「eVTOL(電動垂直離着陸機)」といいます。今年に入り欧米で大きな盛り上がりを見せています。
現在、世界各地で試験飛行が始まっており、世界で約30社が開発を発表しています。
日本のトヨタ自動車が出資をして注目されたジョビー・アビエーション(米国)もカリフォルニアで飛行試験を繰り返しています。
しかし、「eVTOL」の最大の課題は車を飛ばすことではなく、具体的な用途や市場規模、実現への過程にあります。
このビジネスモデルの先頭を走っているウーバーが想定しているのが「空飛ぶタクシー」なのです。
米国では地下鉄や鉄道の公共機関が、日本ほど十分に整備されていません。
そのため大都市では交通渋滞が悪化しています。
渋滞によって、多くの市民が時間を無駄にしているという問題があります。
シリコンバレーでは貴重な労働時間を通勤渋滞で無駄にしないため、アップルやグーグルが車内無線LANを整備したバスが大規模に運行しています。
それでも通勤に90分以上費やす長距離通勤者が年々増加しているといいます。
ウーバーは空に地下鉄のようなシステムを構築して、この問題を解決しようとしています。
同社は2023年にロサンゼルス市とダラス市で商業実験運転を計画しており、2025年には1日18万人を輸送するといいます。
またウーバーは「eCRM-003」というeVTOL新型モデルを発表しました。
乗員がパイロットを含め5名、最高速度は時速240キロメートルです。写真参照
今回のウーバー開発者会議には、日本から政府機関、自動車、重電、電池メーカーなど25名が参加しています。
10年後、日本の上空には「空飛ぶタクシー」が飛んでいるかもしれません。