民泊新法施行!市場は‥
2018.06.22
6月15日に施行された住宅宿泊事業法(民泊法)ですが、届け出は低調とのことです。
住宅に旅行者を有料で泊める民泊。
京都市は観光地として訪日客の人気が高く市内に4千件近い民泊施設があると推定されていますが、1ヶ月前の5月14日時点で届け出は1件もありませんでした。
弊社事務所のある東京都港区は六本木をはじめ訪日客に人気の観光地が多いですが、1ヵ月前の時点で届け出は9件でした。
この現状の背景には、民泊を営む個人や法人が自治体の「上乗せ規制」を警戒しているところにあります。
6月15日に施行された民泊法では、自治体への届け出を条件に、年間180日までの営業日数を認めています。
地域住民の声に配慮し、自治体が独自の条例で追加の営業制限を設けています。
京都市は住宅地での営業日数の上限を年間60日としており、加えて家主が不在の民泊物件には緊急時に10分程度で駆け付けられる場所に管理人を置くことを求めています。
このような制限があっては利益を出すのは難しく、事実上の排除要件といった声があがっています。
加えて届け出には消防関連の文書をはじめ、20種類以上の書類を揃える必要があり、新規参入者にはハードルが高くなっているという理由もあり
ます。
一方で、コンビニエンスストア各社は訪日客など民泊利用者を店舗に呼び込もうと、相次いで関連サービスに乗り出しています。
ファミリーマートは民泊仲介で世界最大手のエアビーアンドビーと業務提携で合意したと発表しました。民泊利用者への鍵の受け渡しなどを店舗
で行うようにするとのことです。
セブンイレブンもJTBと連携して、店舗を民泊のチェックイン拠点として活用するといいます。
ローソンも保管ボックスを店内に設けて、鍵の受け取りや返却をできるようにします。
民泊解禁に加熱する業種もありますが、物件オーナーの熱は冷めているようにも見えます。
私も先日、民泊物件を取り扱いましたがやはり営業制限があり、思いのほか利回りが伸びず断念しました。
民泊を本格解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から約1週間。
新法での届け出や許認可のない民泊を仲介サイトに載せることはできなくなりました。
ところが最大手の米エアビーアンドビーには法の網をすり抜けた違法施設が少なくとも数百件ほど載っているもようです。
掲載数は最盛期の今春に6万2千件ありましたが、一時は1万3800件になり8割減っていました。
その後、届け出の受理が進んだ施設の掲載が復活するなどし、15日には2万7千件にまで回復しています。
しかし、この中には届け出がない施設が含まれているとのことです。
民泊新法では営業日数に年180日の上限があります。
そこで民泊ではなく1カ月単位で貸す賃貸住宅を運営する家主も増えています。
新法の届け出をしなくても賃貸借契約で貸せば180日制限を受けずに済むからです。これ自体は違法ではありません。
問題はエアビーで「マンスリー」と紹介しているにもかかわらず、実際は1泊や2泊でも予約を受けつける事実上の民泊施設が複数あることです。あきらかに脱法的な行為となります。
民泊新法の施行規則は、宿泊サービスの提供者が届け出をしたかどうかを仲介業者が確認することを求めています。
シェア経済の象徴である民泊でヤミ物件をなくし、普及させる新法ですが出だしから課題が山積みのようです。