戦後建築物を活用 横浜

戦後の1950~60年代に建てた「防火帯建築」と呼ばれる建物の利活用が始まっています。

防火帯とは防災上設けられる可燃物が無く延焼被害を食い止めるための帯状の地域です。

街の防火を目的に1952年に耐火建築促進法が施行されこの法に基づく防火建築帯造成事業が開始されました。

都市の中心部に地上3階以上、高さ11メートル以上の耐火建築物が帯状に建築された防火帯を作ろうという目的で防火建築帯は長屋形式の共同商店建築を成していました。

都市の不燃化のみならず共同化による都市の高度利用を目的として日本の市街地改造の系譜の中で初期の試みという位置づけになされています。

横浜市には全国の「防火帯建築」の4分の1が集中しており独特の都市景観を生んでいます。

現状では設備が老朽化して空室も多いですが独特の味を好む芸術家や起業家らが関心を持ち好立地も相まって注目を集めています。

 

横浜市文化観光局は関内地区の2つのビルでモデル事業を始めました。

古い建物の改装を手掛ける地元業者が6年契約で6室を借り上げて改装して賃貸しています。

原状回復不要の条件で賃貸する「セルフビルド方式」でリーシングをしています。

安い賃料で自由に使える点などが入居者に受けているとのことです。

一方では「対症療法にすぎない」という声もあります。

2020年には約6000人が働く横浜市役所がみなとみらいに移転します。

街の雰囲気は間違えなく変わります。

また地盤沈下が懸念される地域でもあり、「保存か開発か」の兼ね合いの議論も低調とのことです。

私も戦後の防火帯建築の案件に携わりましたがやはり問題は山積みです。

今後も築70年クラスの建物が増えていきます。

いかに活用するのかというアイデアが必要な時代に突入しました。

Fudousan Plugin Ver.1.7.5