老後の資金対策について
平素より大変お世話になっております。
OMパートナーズの竹内です。
お盆を前に連日、厳しい猛暑となっておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、そんな暑さも吹き飛ぶ将来に向けた現実をご紹介します。
退職金が住宅ローンと教育ローンの返済で、老後資金はほぼゼロ!
少し前から「これからは老後貧乏になる人が増えるのだろう」と言われています。
それは、老後資金の準備ができていない人が増えているからです。
60歳時に受け取れる退職金が2000万円あり、住宅ローンは完済ずみ。
貯蓄が別途1000万円、すると老後資金は 3000万円。
60代前半を働いて収入を得ると、老後資金としてはまずまずの金額。
1990年後半は、こうしたケースが多くありました。
しかし、それは過去の話。現状はどうでしょう。
最近では、60歳時点で住宅ローンが多額に残っており、子どもの教育ローンは200万円、貯蓄はほとんどないというケースは割と多く、退職金でローンを完済すると、老後資金は残らない。退職金がない方もいるでしょう。
それが老後貧乏予備軍の典型例です。
老後貧乏予備軍が増加傾向にあるのは、要因があります。
1)住宅ローン利用が多額だったため、60歳時のローン残高が退職金の半分以上になる予定(=老後資金が減る)
2)子どもを中学から大学まで私立に通わせている(=多額の教育費支出)
3)50代後半以降に教育費のピークがあり、子どもが社会人になってから親が定年を迎えるまで短期間(=最後の貯蓄期間が少ない)
4)子どもの大学進学時に教育ローンや奨学金を借りている(=さらなる借金の増加)
5)計画的に貯蓄できていない(=消費世代のため、お金を使うのが美徳と思っている人が多い)
2つ以上の該当で、老後貧乏予備軍である可能性が高いです。
定年後も働き続ければ何とかなるだろうと考えても、現役世代と同じ時間働いても収入は現役世代の様には得られないのが一般的です。再雇用後の収入は少ないので、暮らしていくことができたとしても老後資金の積み増しは見込めません。
年金収入の目安は年200万~240万円程度老後のために貯蓄は必要不可欠
65歳から年金生活がスタートすると、収入は一段と下がります。
会社員であった人の年金収入は、年200万~240万円程度。
公的年金だけでセカンドライフを送ることは難しく、老後のための備え<自助努力>は必要不可欠なのです。
今のお年寄りは老後資金をしっかり貯めている人が多いので、取り崩しながら生活をしても、蓄えには余裕があります。貯蓄が少ないと、老後貧乏になってしまいます。
お金を貯められない人が貯められるようになるには、「危機感」が必要!貯蓄の多い少ないは、収入の額ではなく「危機感を持っているか」だと考えられます。
特に危機感に乏しいのは年収が高い人です。
年収1000万円以上の人は、我慢せずにお金を使うことができるため、危機感が乏しく、収入に対し貯蓄額は驚くほど少ないことが多々あります。
逆に年収600万~700万円の専業主婦世帯がきちんと貯蓄している傾向にあります。
600万~700万円の年収で家族4人が暮らしていく為には、計画的にお金を使わないと足りなくなってしまうので、危機感を持ち計画的な貯蓄をしているケースが多いのです。
危機感は、貯蓄の大きな動機付けになりえるので、「少し先の怖い現実」から目をそらさないほうがいいですね。
「年金暮らし」の実態はどのようなものか?
今の年金生活者の収支は年約70万円の赤字!
危機感に乏しい予備軍も老後不安がないわけではありません。
今年8月発表の内閣府世論調査では、66.7%の人が「日常生活に悩みや不安がある」と答え、悩みや不安のトップに「老後の生活設計」(57.9%)が挙がっています。ざっくり言うと100人のうち40人近くが老後に不安を感じています。
不安を解消すべく老後資金作りをはじめているかというと、ほとんどの人は手つかずの状態です。老後の生活を具体的にイメージすることができないから、何からはじめるといいのかわからないのでしょう。問題点がクリアになっていないと対策は立てられないし、目標設定をしないと何をすれば良いかもわかりません。
「年金暮らし」がどういうものなのか考えてみましょう。
図は、今の高齢者の家計収支データです。夫婦二人の年金収入258万円に対し、年間支出が327万円で、収支はマイナス69万円。年間約70万円の赤字。マイナス分は、現役時代に貯めてきた老後資金を取り崩しています。